中央大学文学部の自己推薦入学試験とは?
中央大学文学部の自己推薦入学試験は、総合型選抜(AO入試)の入試方式となっています。
中央大学文学部では、人文科学系・社会科学系を含む多様な学問研究を通じて、「人を読み解く力」を備えた人材を養成することを目指しています。
高等学校段階までの学習における知識技能、論理的にものごとを考える基礎力、基礎としての日本語と外国語の読解力と表現力、主体性・協働性といった、知識・能力・態度等を備えた学生を多様な選抜方法によって受け入れているようです。
そして、中央大学文学部自己推薦特別入学試験の出願方式としては【外国語型】と【専攻適性型】に分かれており、この2つが用意されています。両方式の併願はすることができなくなっており、どちらか片方のみで出願可能です。
今回は【専攻適性型】についてご紹介します!【外国語型】にご興味がある方はこちらの記事をご覧ください。
自己推薦入学試験【専攻適性型】で中央大学文学部に合格したいなら、まず、知っておくべき入試概要
- 入試日程
- 倍率
- 試験内容
- 出願条件
の4点を具体的に解説しつつ、受験生として留意すべき点もお伝えしていきます。
①自己推薦入試の入試日程
まず、中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】の入試日程についてです。
上智大学の公募推薦が10月、立教大学が9月中旬、主要国公立大学などが10月以降の出願締切であることに対して、中央大学文学部の自己推薦入学試験では9月初旬と比較的早いタイミングで出願が締め切られます。
そのため、夏休みが終わる頃にやっと、書類が仕上がっているような状態のようでは、かなり綱渡りなギリギリの受験を強いられるため、余裕を持ったスケジューリングを心がけましょう。
総合型入試において、併願が可能で、特に人気がある大学には青山学院大学、立教大学、中央大学などが挙げられます。その他明治大学や法政大学では、受験先の学部や受験方法によって、併願か専願かが分かれ、国公立大学や学校推薦型選抜だとほとんどが専願による受験です。
②倍率
中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】における倍率の推移をそれぞれみていきましょう。
各年度をみてみると、学科や年度によって大きく異なりますが、概ね「フランス語文学文化専攻」は1.5倍前後に落ち着いており、日本史学専攻、哲学専攻、社会学専攻は4.0倍前後になっています。
そして、人気の高い「心理学専攻」、「学びのパスポートプログラム」は7.0倍前後で推移しています。総合型選抜という新しい入試形式の普及や、一般選抜での合格が難しくなっていることがあり、各大学の総合型選抜では、倍率が上がりつつあるなかで、
中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】は、その他の大学と比較してもかなり高い倍率になります。しかし、一般入試で同じ学部を受験する際には、一般入試での同大学の倍率も競争率が高くなります。同じ大学を受けるとしても、自己推薦入学試験を受験した方がチャンスがありますし、一般と併用することで、受験のチャンスを増やすこともできます。
入試日程や倍率をただの“数字”として捉え、読み流すのではなく、しっかりと受験者動向の把握や自身の受験計画の立案に活かすことが重要です。受験は戦略と対策の開始時期が明暗を分けます。
続いて、試験内容と出願条件を確認していきます。
③試験内容
学部 | 一次試験 | 二次試験 |
フランス語文学文化専攻 | 書類審査 | 専攻別試験、面接 |
日本史学専攻 | ||
哲学専攻 | ||
社会学専攻 | 専攻別試験、グループワーク、面接 | |
心理学専攻 | 専攻別試験、ディスカッション形式の集団面接 | |
学びのパスポートプログラム | 専攻別試験、プレゼンテーション含む面接 |
中央大学文学部の自己推薦入学試験には受験方法が、外国語型、専攻適性型など、複数存在します。中央大学文学部を受験する上で、自身に合った試験方式を選ぶ必要があります。
自身の現状に合わせて有利な受験方式を選ぶ方法は、こちらの記事にて解説をしています。
この試験は、高等学校調査書、志望理由書、小論文、専攻別試験および面接の5つによって総合的に判断し、合否判定を行うというものです。
大きく分けると
- 書類審査
- 専攻別試験
- 面接
の3つに分けられます。
一次試験に受からなければ、次の試験に進むことができないため、出願者全員が書類審査の段階でハイクオリティな書類を用意しておく必要があります。評定平均や英語資格のスコアが悪い場合、最初から足ぎりにあう可能性もあります。
また、一次合格を達成できた場合でも慢心せず、5つの考慮要素の全てを丁寧に引き続き対策する必要もあります。面接やディスカッションなどの「直接受験生と対峙する場所」で面接官たちは受験生の真価を見極めようとします。一次試験段階で、書類を代筆してもらうことや、嘘や誇張を書くなどをしていると、勿論、二次試験で不合格になります。同時に、書類の準備にかかりきりで、小論文や学力試験などの対策を一次合格後にやっと始めた、なんてことも同様に危険です。多くの学習塾が、一次試験段階までに小論文を重要視しない傾向にありますが、実は早期からの小論文対策が重要です。
小論文の対策方法については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
④出願条件
中央大学の主な受験条件 2025年3月に高等学校を卒業見込みの者で、中央大学を志望し、出願学科への入学を確約できる者 ・フランス語文学文化専攻:美術館でのボランティア体験または教育普及プログラム等に継続的に参加した体験を持つ者 ・日本史学専攻:「日本史探求」を履修した者、かつ日本史研究に強い意欲があり、高校時代に日本史学・日本考古学に関する活動に積極的に取り組んできた者 ・哲学専攻:文学書、哲学書等の豊かな読書経験を持つ者 ・社会学専攻:社会学を学びたいという意欲が特に強い者 ・心理学専攻:心理学に強い関心を持ち、心理学に関する多くの読書経験やボランティア等の経験を持つ者 ・学びのパスポートプログラム:学問領域を横断する多方面の内容に関心を持つ者 |
出願条件は、一般的な総合型選抜や推薦入試の場合には卒業資格と出願資格経験の2点を確認しておけば、「自分は出願の資格を満たしていなかった、、」と後から困ることはありません。帰国子女入試の場合には、細かな海外在住歴を問われたり、国際バカロレアを活用した試験には別途スコアが必要なるケースもあります。
1つ目の条件では、高等学校長の推薦が必要な公募制推薦入という形をとっていることから、併願制であり、合格した場合は併願が可能であるということがわかります。他の大学の条件と異なる場合があるため注意してみておきましょう。
2つ目の条件では、出願資格として、意欲やボランティア等での経験が定められています。他の学部と比較した際に、比較的低い難易度の試験で受験条件を満たすことができます。しかし、評定の数値や資格試験等での足切りがない分、相当なレベルの活動内容と問題や関心意識の高さが必要になるため、入念な準備の上で取り組む必要があります。
・現在高校3年生である
・英検で2級以上をまだ取得していない
・評定が4/5以上とれるかわからない
・特別な課外活動や実績などがない
・大学で学びたい具体的な科目を5個以上調べ終わっていない
・大学で所属したいゼミと教授の氏名が今すぐに答えられない
この中で1つでも当てはまる項目があれば、今すぐにでも対策を始めるべきサインです。
自己推薦入学試験【専攻適性型】で中央大学文学部に合格したいなら、絶対に知っておくべき基礎知識を4つの項目に分けて、紹介していきました。
基礎知識を十分にインプットできた後は、具体的にどのような対策を進めていくべきかについて、知っていきましょう。
Blue Academyでの有料カリキュラムから一部を抜粋してお届けしている内容ですので、公開が予告なく終了する場合があります。
中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】の特徴と対策方法
ここでは、中央大学文学部に自己推薦入学試験【専攻適性型】で合格するために必要な対策方法を先程挙げた
- 書類審査
- 専攻別試験
- 面接
の3つの観点から、それぞれ、お伝えしていきます。
①書類審査
中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】では、書類審査として
(1) 高等学校調査書
(2) 志願理由書
(3) 小論文
の3つの課題を課しています。
(1) 高等学校調査書はどれくらい重要?
この調査書が提出書類として課されている一番の理由は、大学側が応募している学生の評定を確認するためです。
公募推薦応募の条件とされている「各学科の指定する学習成績の状況(評定平均値)を在学全期間を通じて満たす者」を満たしているかを確認するのが、この高等学校調査書です。そのため、高等学校調査書の評定が低いとそもそも受験資格を得られないことや、たとえ条件を満たしていても他の受験生と比較した際に同じスタートラインに立つことができなくなってしまいます。中央大学文学部を自己推薦型入学試験【専攻適性型】で合格したいなら、高等学校調査書は非常に重要になってきます。
中央大学は、在学全期間(3学期制の学校であれば、1年~3年1学期まで、2学期制の学校であれば、1年~3年前期までの成績が提出対象)の成績が記載された調査書の提出を求めていることから、3年間の平均評定を少しでも上げることが一番の対策となります。他の提出書類と比べ長期間での努力が求められます。
(2) 志望理由書の対策方法
中央大学文学部では、枚数や文字数制限なしで「中央大学文学部に入学を希望する理由」の記述を求めています。
特定課題の中では書きやすいものと言えます。自身の夢や希望、また専攻で学ぶことのできる内容を把握したうえで、それらがつながるように組み合わせて書きましょう。具体的な対策方法としては、その学部に関する基礎的な知識を日ごろからインプットしていくことです。
自分の考えを持つためには、まず何よりも、その学部の時事的内容を知っていなければなりません。日ごろからニュースなどのメディアをチェックしておかないと浅い理解となってしまいます。
そして、その分野に関する入門書や専門書を読むことで、さらに深めることができます。日常的に自分の興味のある分野の情報にはアンテナを張っておきましょう。
面接時に志望理由書について深堀りされることも考えられるので、添削をかさね自身でも内容を理解していることが対策方法として非常に大切になるでしょう。
(3) 中央大学文学部の小論文過去問と対策方法
専攻によってテーマや課題が異なるので、早めにテーマを確認して準備するようにしましょう。
各専攻の小論文テーマは以下のようになっています。
専攻によっては、他の大学での自己推薦書や課題図書レポートに近いものもあります。
ここで気をつけたいのが、小論文の内容です。小論文の内容に志望したきっかけなどを入れてしまい、小論文のテーマから離れていってしまうこともあります。志望理由書との立ち位置を明確につけるようにしましょう。
限られた文字数のなかで自身の意見を的確に伝えることができるよう、何度も修正し自身が志した理由が分かりやすい文になっているかを常に意識することが大切です。
②専攻別試験の対策方法
まず、この筆記試験の概要について説明します。内容としては、その専攻分野についての読解力試験(専攻別試験)が課され、前提知識と自身の意見を正しく述べる力の両方を求める試験内容となっています。
この専攻別試験の対策として次の2つの方法を紹介します。
(1) 過去問をとにかく解く
(2) 関連分野の知識、時事情報をインプットする
(1) については、最近では赤本に公募推薦の過去問が乗るようになったりなど、過去のデータも豊富なだけでなく、専門塾などで独自の問題が作られていることが多くあります。書き方を覚えるだけでなく、限られた時間と字数の中で自身の意見をしっかりと述べられるよう多くの問題を解きましょう。
中央大学文学部では過去問も掲載しているので、必ず確認してください。
(2) については、事前書類の対策と重なる部分がありますが、その分野の入門書を読んだり、ニュースを見たりすることで知識をインプットすることができます。
中央大学文学部の教授が書いている本や記事にも目を通しておくことで、より幅広い対策をとっていきましょう。
③面接の対策方法
中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】で行われる面接は、提出書類の内容に沿った質問が中心となる一般的な面接です。様々な提出書類が求められ、提出書類が出来次第すぐに面接の練習に入ることがおすすめです。
具体的には、
①模擬面接を繰り返す。
②専門知識を身に付け、より自分の将来像を具体化する。
①については、実際に行われるような状態で何度も練習することで、自身が書類で何について書き、それをどのように説明すればいいかを頭のなかで整理することができます。
同じ質問で練習するのではなく、多くの人に面接練習をしてもらい様々な人からフィードバックを受けましょう。
②について、専攻適性型の特徴として、出願資格の上で各専攻を受験するための特別な経験や意欲を求められます。学部への志望理由だけでなく、専攻を選んだ理由やその先の研究、将来の夢と、先を見据えた深い内容の面接となることが予想されるので、自身がその専攻に入学するほど専門性・適性共に優れた存在であることをアピールする必要があるでしょう。
専門書を読むだけでなく、ニュースや社会問題にも触れ、どんな質問にも対応できるように十分に準備しておくことで減点を防ぐことができます。
書類内容を振り返るだけでなく、その内容以上のことを答えられるよう意識しましょう。
専攻によっては、グループワークや集団面接、プレゼンテーションを含むものもあります。学校や塾の先生、友達の協力を得ながら本番に近い形の面接を行うようにしましょう。
まとめ
今回の記事では「中央大学文学部に自己推薦入学試験【専攻適性型】で合格するために最短ルート」として、
(1) 自己推薦入学試験【専攻適性型】で中央大学文学部に合格したいなら、まず、知っておくべき入試概要
(2) 中央大学文学部に自己推薦入学試験【専攻適性型】で最短で合格するための対策方法
の2点について、ご紹介しました。
受験は競争です。相対的に周囲の受験生より一歩先を進むことが重要であり、受験する大学学部のそれぞれ特徴をしっかりと調べて抑えているだけでは、合格は難しいでしょう。
受験合格の秘訣は、「知っていること」や「優秀なこと」ではなく、「正しい戦略」とそれに基づいた「正しい時期に行った正しい量の努力」です。
また、今回お伝えしたノウハウは、あくまでも中央大学文学部に自己推薦入学試験【専攻適性型】で最短で合格するための対策方法であって、確実な合格方法とは、また異なるものです。最短での合格方法や、コスパ・タイパの良い受験を追い求めることは悪いことではありませんが、同時にリスクも伴います。
Blue Academyではそんな中央大学文学部の自己推薦入学試験【専攻適性型】への対策は勿論のこと、本記事では公開できなかった受験の必勝法・限定情報だけでなく、高校生が志望校に確実に合格するための、併願剪定・受験対策を一気通貫で提供しております。
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