BlueAcademy【ブルーアカデミー】総合型選抜戦略発信局

女子枠入試はずるくない!実は合理的な女子枠入試の拡大について総合型選抜のプロが解説!

43 views
約10分
女子枠入試はずるくない!実は合理的な女子枠入試の拡大について総合型選抜のプロが解説!

こんにちは!Blue Academyメディア担当の斉藤です!今回の記事では総合型選抜における「女子枠入試」について解説します。

総合型選抜が普及する現在、女子枠入試を設ける大学が増えています。そんな女子枠入試に対し、女尊だ!とか差別!不公平!などと不満の声が多くあがっています。

今回は「女子枠入試はずるくない!合理的だ!」をテーマに解説していきます。

総合型選抜入試の対策に向けて、何が必要なのか悩んでいる、わからないなどのお悩みがありましたら、ぜひ一度Blue Academyが提供する無料1時間面談にご参加ください。

Blue Acadey代表の中村が、個別でみっちりと相談にのらせていただきます。

女子枠とは、多様な人材を育成するために女子限定の定員を設ける入試制度のことです。女性人材の少ない理工系領域の人材を増やすべく、理系学部を中心に女子枠の制度が普及しています。

実は女子枠入試は新しいものではなく、名古屋工業大学や芝浦工業大学などの大学が既に昔から導入していました。

近年、総合型選抜において「女子枠」を設ける大学が増えています。まず、どのような大学にて女子枠が用意されているのかを確認しておきましょう。

東京工業大学2024年度入試から、総合型選抜および学校推薦型選抜で女性のみが出願可能な「女子枠」を導入。東京工業大学(東京科学大学)の女子枠入試の対策法などについてはこちらをご確認ください。
東京理科大学2024年度入試より、工学部や先進工学部を対象に「総合型選抜(女子)」を新設。
工学部、創造工学部、先進工学部の3つで女子枠が実施されています。工学部についてはこちら
創造工学部についてはこちら
先進工学部についてはこちら
金沢大学理工学域の複数学類で女子枠を設置。総合型選抜(共通テストあり)で募集を行い、特に機械工学類では20名の女子学生枠を確保するなど積極的な取り組みを行っています。
金沢大学の女子枠入試の対策法などについてはこちらをご確認ください。

まだ他にも女子枠入試を行なっている大学は存在します。女子枠入試は、一般入試において実施されているというケースもありますが、近年は総合型選抜の一種として実施されることが増えています。

総合型選抜の目的の1つに、多様な人材を確保することがあることから、女子枠入試との相性が良いと考えることができます。

アバター
京香先生
女子枠入試がなぜ増えているのか等々、女子枠入試について詳しく説明している記事はこちら!

日本の社会問題のひとつとして、理系人材不足があります。理系人材の人口を増やすためには、現在あまり多くはない女性理系人材を増やす必要があります。

理系という学問、特に理工学や工学などは男性のイメージが強いかと思います。

実際、文部科学省の学校基本調査では、医療系を除く理系学部の女子学生の人数は生徒全体の約20%、つまり5人に1人しか女性がいないことが表されています。

理系人材不足は、結果として日本経済に打撃を与えます。日本の高度成長期時代に貢献した企業の多くは製造業です。革新的な技術を生み出していく理系のエンジニアの方々がいたからこその経済成長です。

現在、世界で普及している技術の多くは海外産です。例えばAIにおいては、アメリカ企業が作ったLLMをアメリカの半導体会社の商品を用いて動かします。世界で使われる新しい技術を作れば、大きな経済的インパクトを見込めるのです。

つまり、理系人材をどうにかして増やすことで日本という国にメリットが生じる訳です。そして、そんな重要な理系人材人口を増やすためには、女性で理系を学ぶ人を増やす他ないのです。

「女子枠」「女性優遇」という言葉には、「ずるい」「逆差別だ」「女ばかり」といった批判が付きまといます。XなどのSNSでは、そのような内容で盛り上がっているのをよく目にします。

受験という競争の場では、一人でもライバルを減らしたい、と思う気持ちも理解できますし、自分が努力してつかみ取った成果に対して他者の制度利用を不公平に感じることもあるかもしれません。しかし、その批判の前に、一度立ち止まって「なぜこうした制度が必要とされるのか」を考えてみる必要があります。

特に理系分野や一部の職場では、女性は明らかに少数派です。この少数派であることが、しばしば日常生活やキャリア形成の上で、女性に不利な状況を強いています。研究室や職場で「ただ数が少ない」という理由だけで、意見を発言しづらい空気を感じたり、キャリアを形成する上で不利な選択肢を選ばざるを得ない状況が存在しています。

上記の経済的合理性のためだけではなく、このような構造的な不平等を少しでも改善し、女性が能力を十分に発揮できる社会を目指すための一つの手段として、「女子枠」は存在しています。

「女子枠も、推薦も、総合型も、何もずるくない。」

2025年度から始まる女子枠入試は以下の通りです。見てわかるようにたくさんの大学で女子枠が拡大しています。

大学選抜学部学科(専攻・コース)募集人員
室蘭工業大学総合型Ⅰ(女子枠)理工学部創造工学科6名
システム理化学科4名
創造工学科3名
システム理化学科2名
秋田大学学校推薦型Ⅰ(女子枠)総合環境理工学部※応用化学生物学科3名
環境数物科学学科(数理科学・地球環境学コース)3名
環境数物科学学科(機能デバイス物理コース)3名
社会システム工学科(モビリティコース)2名
社会システム工学科(電気システムコース)2名
社会システム工学科(社会基盤コース)2名
福島大学総合型(理系教育女性人材育成枠)理工学群共生システム理工学類8名
茨城大学学校推薦型(一般推薦-女子枠)工学部機械システム工学科6名
電気電子システム工学科4名
情報工学科5名
千葉大学学校推薦型(女子枠)†情報・データサイエンス学部情報・データサイエンス学科15名
新潟大学学校推薦型Ⅰ型(女子枠)工学部工学科(知能情報システム)5名
福井大学学校推薦型Ⅰ(女子枠)工学部機械・システム工学科10名
総合型Ⅱ(女子枠)†工学部機械・システム工学科15名
和歌山大学学校推薦型(女子枠)システム工学部システム工学科10名
三重大学学校推薦型 推薦④(女子特別推薦)工学部総合工学科(電子情報工学コース)5名
神戸大学学校推薦型(女子枠)†システム情報学部※システム情報学科15名
佐賀大学学校推薦型Ⅰ(普通系・女子枠)理工学部理工学科(情報分野)3名
総合型Ⅱ(女子枠)†理工学部理工学科(情報分野)2名
理工学科(化学分野)2名
理工学科(物理分野)2名
理工学科(機械工学分野)2名
理工学科(電気電子工学分野)2名
理工学科(都市工学分野)2名
長崎大学総合型または学校推薦型工学部工学科未定
総合型または学校推薦型情報データ科学部情報データ科学科未定
宮崎大学学校推薦型(女子枠)工学部工学科(化学生命プログラム)2名
工学科(土木環境プログラム)3名
工学科(半導体サイエンスプログラム)2名
工学科(電気電子システムプログラム)2名
工学科(機械知能プログラム)2名
工学科(情報通信プログラム)3名

総合型選抜は私立大学だけではなく国公立大学でも普及しています。

女子枠入試は、一般的な総合型選抜とは少し中身が異なることがあります。試験内容であったり、審査方法が異なるケースがあります。

自分が何を志としてどのような学びを大学で実現していきたいのか、まず自身で考えそれを満たすことのできる大学学部を探しましょう。もし、志望校選びなどで躓いたり、対策方法が分からないなどありましたら、こちらから総合型選抜のプロに相談してみましょう!

もしこの記事を読んでくださっているあなたが女性で、女子枠入試で受験に臨むのか、あるいは一般的な総合型選抜で受験に臨むのか悩んでいるのであれば、以下の観点で判断することをオススメします。

観点1|倍率を比較する

女子枠入試の方が受験できる対象者が女性だけなので倍率が低そうとイメージしがちですが、意外とそうでもありません。そのような思考で女子枠をあえて受験する方々が一定数いるからです。

しっかりと倍率をそれぞれ比較した上で、どちらで受験に臨むのか考えましょう。

観点2|試験内容を比較する

女子枠入試と一般的な総合型選抜では、課される試験の内容や提出書類のものが異なる場合が多くあります。

特に2次試験の科目の違いは受験生にとって負担が大きいです。小論文や学科試験の有無は、対策時間にも大きな影響を及ぼしますし、精神的な負担も大きく変わります。

人によって書くのが得意、話すのが得意、読むのが得意と、得意不得意が異なりますので基本的には、自分の得意不得意に合わせてどちらが良いか選択しましょう。

観点3|試験日で比較する

試験日という観点は意外と盲点になりがちですが、非常に大切なことです。

総合型選抜の2次試験は10〜11月に集中しているので、志望校の2次試験日が重なってしまうということが少なからず起こります。

他の志望校との併願状況によって、試験日も異なってくるのでこれに合わせてどちらで受験に挑むのか考えるのも良いでしょう。

総合型選抜の対策に向けて、何が必要なのか悩んでいる、わからないなどのお悩みがありましたら、ぜひ一度Blue Academyが提供する無料1時間面談にご参加ください。

Blue Acadey代表の中村が、個別でみっちりと相談にのらせていただきます。

Share / Subscribe
Send to LINE