経済学部は、文系学部の中でも特に人気が高く、多くの受験生が志望する学部です。しかし、一般入試では数学が課されることが多く、難易度が高いと感じる受験生も少なくありません。
そこで注目されるのが、総合型選抜(AO入試)です。
総合型選抜では、学力試験だけでなく、志望動機や課外活動など多面的な評価が行われるため、数学に自信がない受験生でも合格のチャンスがあります。
そんな皆さんのために本記事では、経済学部を総合型選抜で受けるときのコツや、総合型選抜を実施している経済学部を国立大学と私立大学に分けて紹介し、それぞれの特徴や選考方法について詳しく解説します。
経済学部に興味がある方や、総合型選抜での受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Blue Academyでの有料カリキュラムから一部を抜粋してお届けしている内容ですので、公開が予告なく終了する場合があります。
経済学部を総合型選抜で受験するメリットとは!?
①学力以外でも評価をされる
総合型選抜では、学力試験だけでなく、志望動機や課外活動、経済への関心度など、受験生の様々な側面が評価されます。
部活や学校行事、留学、など課外活動が評価対象になるため、学力に自信がない方でも偏差値の高い大学に合格できる可能性があります。
通常の入試では見えにくい個性や能力をアピールする機会が得られることで、希望の経済学部に合格するチャンスを増やすことができるのは大きなメリットといえるでしょう。
②早期の進路決定が可能
多くの総合型選抜は一般入試より早い時期に実施されるため、合格すれば早めに進路を確定させることができます。
文部科学省によれば総合型選抜の合格発表日は11月1日以降と定められています。一般選抜の大学入試においては、2〜3月に合格発表がある場合が多いので、かなり早いタイミングで進学先が決まります。
経済学部で学びたいという意思が強い人にとってはとてもメリットが大きいことだといえるでしょう。
また、早く決まることで、残りの高校生活を大学入学の準備に充てることが可能になることも大きなメリットです。
③競争倍率が比較的低い
総合型選抜(AO入試)は、同じ学部学科でも一般入試よりも倍率が低いことも多く、合格のチャンスが高いというメリットもあります。
総合型選抜の倍率は平均で、1.5〜3.0倍と言われることが多く、一般選抜選抜と比べると低い傾向にあります。あなたが志望している大学の経済学部が総合型選抜を行なっている場合は、ぜひチャレンジしてみるといいでしょう。
ただし、大学によって倍率は異なり人気の大学・学部では倍率が数十倍になる場合もあります。志望校の倍率推移や要項の変更などは、随時確認しておきましょう。
④高校からの推薦がなくても受験可能
高校からの推薦がなくても受験が可能なことも、総合型選抜の大きなメリットと言えます。
一般入試以外の入試方法として多くの大学で採用方法とされているのが学校推薦型選抜ですが、この受験方法は高校の校長より推薦状を貰えなければ受験できません。
しかし、総合型選抜では推薦状は不要です。総合型選抜(旧AO入試)を実施している大学の多くは、基本どんな高校からの受験が可能です。自分の興味を引く大学や学部を探し、総合型選抜が実施されている場合はぜひ挑戦してみましょう。
経済学部を総合型選抜で受けるときのコツ!
①経済学への関心と理解を深める
非常に基本的なところではありますが、まず経済学という学問について関心と理解を深めていくことが非常に大切になってきます。
経済学と一言で言っても様々な分野が存在します。自分がどの分野に興味があるのか、あるいは自分の志は何を学ぶことで実現できるのかを考えていきましょう。
「経済学にはざっくりとした興味はあるが、具体的にどの分野が良いのか分からない!」という方におすすめの方法としては、
経済学を総論的に学ぶことのできる書籍から読み始め、その中で特に関心を持った分野を3つ挙げます。そして、それぞれに関する書籍を読み、最も興味を持った分野について更に深ぼっていく
という方法です。
この手法により、専門的な知識とジェネラルな知識の両方を身につけるとともに、志望理由書を作成する際や面接の際には、その読書で身につけた知識を活用することができます。
②数学的な素養を身につける
経済学では、統計的な数学を多く扱います。それこそ、大学入学後も数Ⅲの内容を扱う授業も経済学ではあるようです。
また、大学によっては総合型選抜でも2次試験として数学の試験を設けていることもあります。
そのため「文系学部だから数学を捨てる」などといった判断は、危険です!
2次試験本番の直前に数学ばかり勉強することになり、面接対策であったり、他大学他学部の書類作りに時間と労力を使うことができなくなってしまいます。
経済学部の合格を総合型選抜で掴むためにも、そして入学後もスムーズに学問を進めるためにも、数学の勉強を辞めずに継続して勉強を進めていきましょう。
③英語力の向上も怠らずに
英語力は経済学部の受験だけではなく、総合型選抜で難関大学を受ける上ではマストな能力となってきます。
出願資格として英検準1級が設定されていたりと、MARCH以上であれば高い英語力が必要となってきます。
また、入学後の研究テーマ等を国際経済学などに設定すると、どうしても英語で書かれた論文を読み進めたりすることも多くあります。
こう言った理由から、英語力を磨くことを強くおすすめしております。
総合型選抜(AO入試)を実施している経済学部まとめ
では、上記内容を踏まえ、総合型選抜(AO入試)を実施している経済学部(大学)を紹介していきます!国立と私立大学に分けて紹介していきます!
国立大学まとめ
①東北大学経済学部
東北大学経済学部は、経済学と経営学の融合教育を特徴とする学部で両学科において総合型選抜を行なっています。
経済学科と経営学科の2学科で構成され、3年次に選択するゼミナールによって所属学科が決まります。
幅広い基礎理論と分析手法を学び、複雑な経済・経営現象を論理的に解明する能力を獲得することを目標として掲げています。
特徴としては、他の大学と比べ少人数教育を重視し、教員と学生の密接な交流を通じ、多彩な現象に対応できる力を養成している点が挙げられます。また、大学院との連携教育やデータ科学教育にも力を入れており、グローバル・マインド、データ分析力、挑戦心を持つ人材の育成にも力をいれています。
②横浜国立大学経済学部
横浜国立大学経済学部は、経済学科のみの1学科で構成されており、グローバル化する経済社会に対応できる人材育成を目指し、理論と実践のバランスの取れた教育を提供しています。
総合型選抜では、定員が15名となっており狭き門ではありますが、倍率は2倍〜3倍となっており、条件を満たしている方はぜひチャレンジしてみるといいでしょう。
経済学の基礎から応用まで幅広く学べるカリキュラムを用意し、少人数制のゼミナールを重視しています。
また、前述のように英語による授業や留学プログラムも充実しており、国際的な視野を持つ経済人の育成に力を入れています。データ分析能力の向上にも注力し、現代社会の複雑な経済問題に対応できる実践的な能力の養成を目指しています。
③大阪大学経済学部
大阪大学経済学部は、経済・経営学科の1学科制を採用し、幅広い経済学・経営学の知識と分析手法を学ぶことができます。
総合型選抜を実施しており、定員は今年度22名、2次選考において100点満点に換算した共通テスト5教科7科目の点数を加味した選考が行われるため、共通テストの受験は必須です。
カリキュラムとしては、理論と実証の両面からアプローチし、現代社会の経済問題を解決する能力を養成するために少人数教育を重視し、1年次からゼミナールを開講しています。
また、数理的・統計的手法を用いた実証分析にも力を入れており、データサイエンスの素養を持つ経済人の育成を目指しています。国際化にも対応し、英語による授業や留学プログラムも充実しており、グローバルな視点を持つ人材の育成に取り組んでいます。
④九州大学経済学部
九州大学経済学部は、経済・経営学科と経済工学科の2学科制を採用し、経済、経営学の他にも、理論と分析ツールおよびその応用を一体的に学ぶ経済工学という分野も学ぶことができます。
総合型選抜を実施しており、募集定員は22名、2次選抜は、小論文試験の成績や個人面接の評価に加えて、大学共通テストの成績の総合評価により選抜されるため共通テストの受験は必須です。しかし、評定等の条件は設けられておらず、小論文試験の配点が比較的高いことから合格のチャンスはあるといえるでしょう。
カリキュラムでは、理論と実践のバランスを重視し、現代社会の経済問題を多角的に分析する能力の育成を目指しています。少人数教育を重視しており、3年次からのゼミナールを必修としています。また、他の大学にはない経済工学科も設置されていることから、データ分析能力の向上にも注力し、経済統計やビッグデータ分析の手法をより専門的に学ぶことができるのは大きな特徴といえるでしょう。
私立大学まとめ
①上智大学経済学部
上智大学経済学部は、経済学科と経営学科の2学科制を採用し、理論経済学、応用経済学、国際経済学、経済史の4つの分野を柱とした教育を提供しています。
高等学校長の推薦が必要な公募制推薦入試を実施しており、専願制であるため合格した場合は進学する必要がある試験方式となっています。書類審査と合わせて学科ごとの筆記試験、面接が行われており、他の大学と比べて筆記試験の配点割合が高くなっているのが特徴です。
カリキュラムでは、少人数教育を重視し、1年次から演習科目を設置しています。また、英語による授業も多数開講しており、グローバルな視点を持つ経済人の育成に力を入れているのが大きな特徴です。
データ分析能力の向上にも注力し、経済統計や計量経済学の科目も充実しています。キリスト教ヒューマニズムに基づく教育理念のもと、倫理観を持った経済人の育成を目指しています。
②中央大学経済学部
中央大学経済学部は、経済学科、経済情報システム学科、国際経済学科、公共・環境経済学科の4学科で構成されており、総合型選抜ではそれぞれ3つの受験方法が設けられています。
自身の得意分野に合わせて総合型選抜の受験方法を選択できるのは大きなメリットといえるでしょう。
カリキュラムとしては、幅広い経済学の知識と専門性を兼ね備えた人材の育成を掲げ、少人数教育のもと、2年次からゼミナールを必修としています。
また、データ分析能力の向上にも注力していることから、経済統計や情報処理の科目も充実しており、実務家教員による講義などを通して、理論と実践のバランスの取れた教育を提供しています。英語による授業や留学プログラムも用意しており、グローバルな視点を持つ経済人の育成に取り組んでいます。
③立教大学経済学部
立教大学経済学部は、経済学科、経済政策学科、会計ファイナンス学科の3学科で構成されており、立教大学独自の「自由選抜入試」という総合型選抜を行なっています。
これは、主に「現代の政治や経済に関する知識や関心、基礎的な数学的分析能力」を問う総合科目試験と面接、書類選考によって選考が行われるものです。
出願条件が英語資格のみなので総合科目試験の知識を身につけることで合格を目指すことができるのは大きな魅力です。
カリキュラムでは、立教大学が掲げるリベラルアーツ教育を基盤とし、「「ヒト・モノ・カネ」の結びつきを理解する多角的な視点を修得し、日々変化する現代社会にも対応できる、主体的な行動力・思考力を育む」ことを理念として掲げています。
特徴としては、少人数教育を重視し、1年次から演習科目を設置しています。また、英語による授業も多数開講しており、グローバルな視点を持つ経済人の育成に力を入れています。
④専修大学経済学部国際経済学科
専修大学経済学部国際経済学科は、グローバル化する経済社会に対応できる人材の育成を目指す学科で、評定平均などの条件が特にない、総合型選抜(AO入試)を実施しています。
国際経済学科の名の通り、国際経済学を中心に、経済理論、経済政策、地域研究など幅広い分野を学ぶことができるカリキュラムが組まれており、「海外特別研修」や「NGO論」 など、在学中に外国での学修機会が多く準備されていることが特徴です。
現代の国際社会を理解するために、経済理論と語学力両方を身につける環境であるといえるでしょう。
⑤武蔵大学経済学部学科
武蔵大学経済学部は、経済学科、経営学科、金融学科の3学科制を採用し、経済学・経営学・金融論の3つの分野を柱としたカリキュラムが用意されています。合わせて、全ての学科で総合型選抜で受験することができます。
総合選抜においては、課外活動重視型と商業系資格重視型を選択することができ、出願者の得意分野に合わせて対策をすることができます。
ゼミが4年間用意されており、他の大学と比べてより専門性をもって自身の研究に取り組むことができます。
また、所属学科にとらわれずにコースやゼミを選択でき、学びに応じて明確になる関心に十分対応できるカリキュラムが組まれています。
⑥関西大学経済学部経済学研究科
関西大学経済学部では、経済政策コース、歴史・思想コース、産業・企業経済コース、国際経済コースの4つのコースに分かれて高度な専門性を磨くことができるカリキュラムが設けられています。
すべてのコースにおいて、総合型で出願が可能となっており、昨年度より出願要件として【自己推薦型】【グローバル・リーダー志向型】【データサイエンティスト志向型】の3つの評価型が設定されました。出願者の得意分野に合わせて対策をすることができます。
「少人数教育で経済学を学び、社会で実践する」という理念のもと、家計・企業・政府の行動とそれらを結びつける市場の役割を理解することで、経済の仕組みを学ぶとともに望ましい経済社会の在り方を模索します。
カリキュラムとしては、1・2年次で幅広い教養と経済学の基礎を学んだ上で、3年次からは前述の、4コース(経済政策、歴史・思想、産業・企業経済、国際経済)が設けられており、高度な専門性を磨きます。2009年から学部独自の留学プログラムであるGoLDプログラム(Global Leadership Development Program)なども実施され、外国語を用いて経済学に関する知識やスキルを身に付けることができます。
まとめ
今回の記事では「総合型選抜(AO入試)を実施している経済学部まとめ・合格のためのコツ大公開!!」として、以下の3点とそれに付随する内容についてご紹介しました。
受験は競争です。相対的に周囲の受験生より一歩先を進むことが重要であり、受験する大学学部のそれぞれ特徴をしっかりと調べて抑えているだけでは、合格は難しいでしょう。
受験合格の秘訣は、「知っていること」や「優秀なこと」ではなく、「正しい戦略」とそれに基づいた「正しい時期に行った正しい量の努力」です。
また、今回お伝えしたノウハウは、あくまでも総合型で受験できる経済学部や、そこで最低限意識すべきであることを紹介したのみで、今回紹介したコツや、学部・受験方法は全体のほんの一部です。
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