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英語2級がなくたって合格できる!―評定と探究で挑む総合型選抜

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英語2級がなくたって合格できる!―評定と探究で挑む総合型選抜

近年、総合型選抜(旧 AO 入試)や学校推薦型選抜といった推薦系入試の情報を検索すると、まるで 「英検や TOEFL® などの英語外部試験がなければ出願すらできない」 かのような解説に出会うことが少なくありません。しかし、文部科学省が 2024 年度に公表した調査によれば、総合型選抜を実施する大学の約7割は英語外部試験を「任意提出」あるいは「評価材料の一部」として扱っており、提出を必須としていないのが実情です。

実際、出願要件を詳しく読むと、「評定平均 3.5 以上+志望理由書+小論文(または面接)」で受験できる方式が多数存在します。こうした方式では、英語資格を持っていても加点や換算でプラスになるだけで、持っていなくても減点や不利な扱いは一切ありません。むしろ、英語資格の勉強に時間を費やすより、探究活動の深掘りや志望理由書のブラッシュアップ、面接練習に集中したほうが合格可能性を高められるケースも多いのです。

本記事では、こうした 「英検がなくても合格を掴める総合型選抜」を実施する大学を、関東圏と関西圏の私立大学からピックアップしました。

各大学の、英語外部試験の扱い・評価配点・準備のコツ を具体的に解説します。

英検を持っていない、英語が苦手だからといって総合型選抜を諦める必要はありません。この記事を読み進めながら、あなたの強みを最大限に活かせる入試方式を見つけましょう。

日本大学総合型選抜

日本大学の総合型選抜では、多くの学部で英語外部試験の提出が義務付けられていません。
また、英語外部試験を利用できる学部もいくつか挙げられますが、必須ではないため、基本的には英検を取得する必要はありません。

総合型選抜実施学部のうち、法学部、文理学部、経済学部、国際関係学部、理工学部では、英語外部試験を利用することはできますが、提出は義務ではなく、他の条件で代替することが可能です。

法学部に関しては、出願要件として、

①評定3.5以上
②外国語・国語・数学・地歴公民科目で評定4.0以上③英語外部試験のスコア基準(英検2級相当)を満たしている者

が設定されています。すなわち、英語外部試験を所有していない場合でも、全体評定または指定科目での評定基準を上回っていれば、出願可能であり、同じ土俵で戦うことができます。

また、経済学部ですと、入試方式として、①プレゼン型②資格取得型の二つがあります。

②の資格取得型では、出願要件として英検2級相当の資格が必要になりますが、①のプレゼン型では、英検の取得は必要なく、評定が3.5以上であれば出願が可能です。

また、注意事項として、②のプレゼン型は①の資格取得型と少々試験の内容が異なり、二次試験で研究発表をプレゼンテーション方式で実施する必要があります。

プレゼンテーションが得意な方や、自身の興味分野について研究に自信がある方は積極的に受験することをおすすめします。

駒澤大学 総合型選抜

駒澤大学の総合型選抜(正式名称:自己推薦選抜)は全学部で実施されます。英語外部検定は「利用制度」として得点換算に使えるものの、提出義務はありません「英検がない=出願できない」という心配は不要です。

英検・TEAP・GTEC などのスコアを提出すると外国語(英語)が一律 75 点に換算される制度がありますが、提出はあくまで任意です。グローバル・メディア・スタディーズ学部の一部方式では換算点が 160 点や 190 点に跳ね上がる優遇措置もありますが、それでも提出の義務はありません。

例として、文学部英米文学科では、評定平均 3.5 以上を満たせば英語資格の提出は自由で、選考は書類と面接(学科によっては小論文)で行われます。

出願要件概要
評定平均3.5 以上
英語資格提出任意(提出すれば換算、未提出でも可)
選考方法書類+面接(小論文を課す学科もあり)


つまり、英検を持っていなくても「評定・志望理由・小論文/面接」で十分に勝負できるので、英検対策に割く時間を志望理由書の深掘りやテーマ型面接の準備に充てるほうが効果的です。

専修大学 総合型選抜

専修大学の総合型選抜は現在、経済学部国際経済学科、国際コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科、ネットワーク情報学部ネットワーク情報学科の3学科で実施されます。

総合型選抜実施学部(2025 年度)

  • 経済学部 国際経済学科
  • 国際コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科
  • ネットワーク情報学部 ネットワーク情報学科
    代表的な方式と英検要否
学科方式英語資格の要否主な選考
国際経済英語資格型必要(英検2級相当以上)書類・小論文・面接
国際経済発想力型/探索力型不要課題小論文・面接
異文化コミュニケーション課題図書型不要読解小論文・面接
ネットワーク情報探究学習アピール型 等不要動画+面接+総合問題


方式は「英語資格型」「発想力型」「探索力型」などに細分化されており、英語資格が必須となるのは英語資格型だけです。たとえば国際経済学科の発想力型や異文化コミュニケーション学科の課題図書型、ネットワーク情報学科の探究学習アピール型では、英検を持っていなくても課題小論文・面接・動画提出などで合否が決まります。

英語が苦手でも、探究成果や発想力を前面に出せる経路がしっかり用意されている点が魅力です。

大東文化大学 総合型選抜

大東文化大学の総合型選抜は 「他大学併願可能型」「専願型」 の2本立てで、多くの学科が英語資格を出願要件に含めていません。入試要項にも英語外部試験必須と明記された学科はごく一部です。

総合型選抜を実施する主な学部

  • 文学部(日本文学・英米文学など)
  • 経済学部
  • 外国語学部
  • 法学部
  • 国際関係学部
  • 経営学部
  • 社会学部 ほか多数(スポーツ科学部など一部は専願のみ)
要件他大学併願型専願型
評定平均学科によって 3.2〜3.8 など同左
英語資格多くの学科で未設定
※法律学科など一部で CEFR A2(準2級レベル)を求めるケースあり
同左
書類調査書・自己推薦書ほか同左
選考総合問題+面接(小論文型の学科もあり)同左

要件表に「基準は設けない」と明記されている学科が多く、英検がなくても自己推薦書+面接で十分勝負が可能です
一部学科で英検を活用すれば加点や換算が利く、という位置づけですが、そこまで重要視する必要はありません。
英検に時間を割くよりは、面接や小論文に時間を割く方が戦略的に正しいと言えるでしょう。

関西大学 (大阪)

方式代表学部英検の要否主な選考
自己推薦型文・社会など不要書類+面接
英語運用能力重視型法ほか必要(英検準1級相当)英文読解+面接


関西大学は13学部すべてで総合型選抜を実施しており、出願方式は27以上にのぼります。英語外部試験が必須となるのは「英語運用能力重視型」など一部に限られ、自己推薦型などでは英語資格を提出しなくても出願できます。

たとえば文・社会学部の自己推薦型では書類と面接で評価されるため、評定や活動実績、論述力を磨けば英検がなくても十分に合格を狙えます。

関西学院大学 (兵庫)

関西学院大の総合型選抜(第一志望専願)は 4つの形式で実施されてます

特に、学部特色入学試験を実施する、神学部、経済学部、国際学部、商学部、建築学部は、英語資格がなくても出願できるようになりました。

探究型評価入試では、英検のスコアがなくても評定平均値が3.5以上であれば出願することができ、小論文やプレゼンテーションをより重視する傾向にあります。

英検はあくまで補完的な加点アイテムに過ぎません。したがって、探究レポートや活動実績を物語として構築し、発表力を高めるほうが合格への近道です。

京都産業大学 (京都)

出願要件概要
評定平均3.5 以上
英語資格任意提出(提出すれば参考評価)
選考書類+グループディスカッション+面接


京都産業大学では全9学部が総合型選抜を行い、国際関係学部など一部で英語検定証明書の欄が設けられているものの、提出は任意です。

外国語学部に限り英語外部試験の取得が求められるものの、その他の学部では提出は任意、または必要ないケースがほとんどで、その他の活動歴や探究テーマを深く掘り下げて自己PRに組み込むことで十分に合格圏に届きます。

近畿大学 (大阪)

総合型選抜 A〜D(経営学部例)

方式主な特徴英検要否二次試験
A:グローバルキャリア志向型留学志向を評価任意小論文+口頭試問
B:ビジネス・データサイエンス志向型IT×経営任意小論文+口頭試問
C:起業志向型事業計画プレゼン任意プレゼン+質疑
D:自己推薦型自己 PR 動画など任意書類総合評価


近畿大学は 2025 年度から総合型選抜を大幅拡充し、例として、経営学部だけでも「グローバルキャリア志向型」「ビジネス・データサイエンス志向型」「起業志向型」「自己推薦型」といった多彩な方式を用意しています。

外部試験スコアは「利用希望者のみ提出」と要項に明記されており、提出しなければ書類・小論文・プレゼンテーションなどで評価されます。とくに起業志向型では事業計画のプレゼン、自己推薦型では自己PR動画の完成度が合否を大きく左右するため、英検よりもプレゼン資料や動画編集の質を高めることが重要です。

英検をはじめとする英語外部資格がなくても、総合型選抜には多彩な突破口があります。評定平均・探究活動・小論文・面接・プレゼンテーション――あなたがすでに培ってきた強みを軸に戦えば、十分に合格圏へ手が届くのです。

大切なのは 「自分に最適な方式を見極め、限られた時間を最も効果的な対策に投資すること」。出願要項の細部を読み込み、評価基準を正確に把握したうえで、逆算型の学習計画を立てましょう。

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