
「女性初」「女性なのに」これらは、男女を問わず、高校生の将来を閉ざす言葉です。
私が高校時代に留学していたニュージーランドには女性首相が居ましたし、私の母は5人兄弟全員を1人で養う大黒柱です。私にとって、性別を問わず、誰かのために必死になること、そして働くことは当たり前のことでした。
ですが、意外なことに、ブルーアカデミーは総合型選抜業界では初めて、女性起業家によって創業された塾です。一般入試を含めた大手有名塾もほとんどの創業者や実質的支配者は男性。女性による自己資金創業・経営は稀有な事例とも言えます。広報やSNSのショート動画に女性スタッフが出演することはあっても、経営権を持つ多くが男性。それが問題だ、とは言いません。経営は実力社会です、私自身それはよくわかっています。
ですが、なんとなく、社会の縮図のような気がしませんか。聡い1人の高校生の少女が、この学習塾を取り巻く状況を見つめたら、どう考えるでしょうか。容姿や若さといったものが、SNSに“映え”やすい。実際に女性スタッフ出演の方が動画のインプレッションは伸びる。実際に役員報酬を受け取るのは男性たちで、女性管理職は少ない。
総合型選抜は、多くの社会課題を取り扱います。中にジェンダー問題や、社会学を中心としてアンコンシャスバイアスなどを軸とした研究を志す学生も。受験当時の私も、その1人でした。そんな1人の少女を取り巻いていたのは「女性らしさ」が、マーケティングの一部として消費されている場所。その内側で、社会のあるべき姿について論じ、大学に進学する。そのこと自体が、違和感でした。男性らしさも、女性らしさも、存在して良いと思っています。向き不向きも、役割の分担も。ただ、私は社会課題に本当に向き合おうとしている生徒の誰一人すら、社会の縮図の一部に、トゥルーマンショーの1人のように、扱いたくはなかったのです。
女性社長が経営するからといって、「柔らかく」「清廉で安心」「女性らしい柔軟さ」といったような広報手段は用いません。女子生徒に論理的思考よりも感情を重んじるような誘導はせず、男子生徒に対してのみ細かな文章表現よりも部活動の実績を求めることも、ありません。
女性らしさを利用しない経営をするコト。社会の縮図を、学びやに持ち込まないコト。誰かの小さな諦めを減らしていくコト。ブルーアカデミーが2021年という現代において、業界初の女性起業家による創業という事実が偶然生まれた理由は、ここにあると信じています。

CLEA.株式会社 代表取締役 /ブルーアカデミー塾長 どんな学生でも逆転合格させる『神の手』名門城星学園幼稚園/小学校から清風南海中学/高等学校に進学。高校時にはニュージランドに単身留学し、飛び級帰国の後、横浜国立大学経営学部に進学。幼稚園/小学校/中学/大学受験を網羅している受験のエキスパート。関西圏の入試事情や帰国生入試にも精通。