
「評定平均が2点台だけど総合型選抜を受けられる?」
「評定が低いと合格は無理?」
「どのくらい重要なの?」
など、評定平均について悩んでいませんか?
敢えて正直に言いますが、評定平均は確かに総合型選抜において重要な要素の1つです。しかし、評定平均2点台でも慶應義塾大学をはじめとする難関大学に合格した事例は数多く存在します。
この記事では、総合型選抜指導の専門家が、評定平均の本当の重要性と、現状に応じた効果的な対策方法について”包み隠さず”解説していきます。
総合型選抜における評定平均の基礎知識
まずは評定平均について、受験生が最も混乱しやすいポイントを整理していきましょう。正しい知識を身につけることが、戦略的な受験準備の第一歩となります。
評定平均とは何か?
評定平均とは、高校での各教科の成績をもとに算出される平均値のことです。一般的には「学習成績の状況」や「評定平均値」とも呼ばれており、総合型選抜では重要な判断材料として活用されています。
評定平均には大きく分けて2つの種類があることを知っていますか?
全体の評定平均
高校で履修したすべての科目の成績を平均した数値です。多くの大学では「全体の評定平均3.5以上」といった形で出願基準を設定しています。
教科別の評定平均
特定の教科内の科目すべてを平均した数値です。例えば数学という教科で、数学Ⅰ・数学A・数学Ⅱ・数学B・数学Ⅲ・数学Cの6科目を履修した場合、この6科目分の評定平均が「数学」という教科の評定平均となります。
大学によっては「全体の評定平均が4.0以上で、英語は4.3以上」といった形で、全体に加えて特定教科の評定平均を指定するケースもあるので要注意です。
評定平均の計算方法
評定平均の計算方法は実はとてもシンプルです。以下の計算式を覚えておきましょう。
評定平均 = (全科目の評定の合計)÷(科目数)
5段階評価での算出が一般的で、小数点第2位を四捨五入して表示されます。
具体例で見てみましょう。以下のような成績の場合:
- 国語総合:3
- 数学Ⅰ:2
- 英語コミュニケーションⅠ:4
- 生物基礎:3
- 世界史探究:3
この場合の評定平均は、(3+2+4+3+3)÷ 5 = 3.0 となります。
高校によっては10段階評価を採用している場合もありますが、その際は5段階評価に換算してから評定平均を算出します。換算方法は学校ごとに異なるため、担任の先生に確認しておくことをおすすめします。
また、学校によっては国数英の単位が4単位である、つまり他の科目の2倍の価値としているところもあります。単位配分を確認し、正しい成績計算を行なっておくことを強くおすすめします。
仮に国数英の単位が4単位である場合、これら3科目の成績へのインパクトが他の科目の2倍あるという事になる訳です。そうであれば、この3科目を特に重要視し、しっかりと高い成績を取ることをおすすめします。
評定平均いつの成績が対象になる?
この質問は受験生から非常によく寄せられる重要なポイントです。評定平均の対象期間について正確に理解しておきましょう。
現役生の場合
高校1年生から高校3年生1学期までの成績が対象となります。3学期制の学校では3年生の1〜2学期、2学期制の学校では3年生の1学期分までが評価の対象です。
浪人生の場合
高校1年生から高校3年生の3学期(または後期)までの成績で評定平均が算出されます。
つまり、現在の評定平均が低くても、3年生の時に成績を向上させることで挽回することは十分可能なのです!総合型選抜を考え始めたら、まずは評定平均を上げることに取り組んでみてはいかがでしょうか。
総合型選抜で評定平均はどの程度重要?
多くの受験生が最も気になるのが、「評定平均が総合型選抜の合否にどの程度影響するのか」という点ですよね。専門家として正直にお答えします。
出願資格として評定平均が設定されているケース
まず最も直接的な影響として、出願資格に評定平均の基準を設けている総合型選抜が数多く存在することは事実です。一定以上の評定平均を取得していないと、そもそも志望校に出願できないということです。
慶應義塾大学法学部FIT入試の例
A方式:評定平均に関係なく出願可能(倍率約6.4倍) B方式:全体の評定平均4.0以上かつ国数英社で4.0以上(倍率約3.2倍) |
注目すべきは、B方式の方が圧倒的に倍率が低く、合格者数も多いという事実です。これは評定平均が高い受験生が明らかに有利な状況を示しています。
早稲田大学社会科学部総合型選抜の例
評定平均:4.0以上 欠席日数が45日以内 |
上智大学公募推薦の例
ほとんどの学部で評定平均4.0以上が出願基準として設けられており、外国語学科などでは外国語・国語それぞれの評定平均値4.3以上など、さらに高い基準が設定されています。
このように、MARCH以上の難関大学では評定平均4.0がボーダーラインとなっているケースが非常に多いのが現状です。
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評定平均2点台でも合格できる理由と戦略
評定以外の要素を見ている
あくまで総合型選抜は多様な学生を受け入れることに価値があります。成績、つまり頭の良さを見るのであれば一般入試でも良いのです。一般入試ではなく総合型選抜で人を受け入れるということは、頭の良さだけではなく受験生の個性や、珍しい能力、行動力など色んな力を総合的に見て判断をします。
そのため、学校によっては評定がどんなに低くても問題なく受験をすることができるのです。
評定平均が関係ない総合型選抜を狙う戦略
評定平均が低い場合の第一戦略は、評定平均や高校の偏差値をあまり考慮しない入試を選択することです。
行動力と実学を重視する大学の特徴
例えば中央大学は、大学が重視する能力として「行動する知性」を掲げています。そのため、学校の勉強に真面目に取り組んできた受験生以上に、外でアクティブに活動しそこから学びを獲得してきた受験生を評価する傾向にあります。
グローバル入試・外国語資格利用入試の活用
入試名が「グローバル入試」や「外国語資格利用入試」となっている場合は、特に国際性を評価の対象としています。評定平均の低い受験生は、各入試の募集要項を読み込み、大学が求める人物像を理解することがポイントです。
評定平均不問の大学・学部例
以下の大学学部では評定不問で受験をすることができます。
慶應義塾大学 総合政策学部(A方式) 青山学院大学 一部学科 法政大学 一部学部 東京工業大学 総合型選抜 千葉大学 一部学部 |
他の要素で評定平均をカバーする方法
総合型選抜は受験生の総合的な評価をする入試です。評定平均が低くても、他の要素で補うことで十分に合格は可能と言えます。
スキルの取得で差別化
キルとは、個人が持っている力のことです。以下のようなスキルが特に評価されます。
英語関連資格:難関大を志望するなら英検2級は必須、英検準1級を持っているとより有利になりますIT関連資格:基本情報技術者試験、ITパスポートなどプログラミングスキル:実際に作品を制作できるレベルスポーツ実績:全国大会出場、県大会入賞など定量的な成果 |
課外活動・ボランティア活動で実績作り
自身がこれまでに取り組んできた活動は重要な評価対象となります。特に「行動力」を評価する入試形態で高い評価を得られます。
正直なところ、自主的に様々な活動に取り組んでいる高校生はそれほど多くないため、他の受験生と比較して「あなただけの魅力」にもなります。評定平均に自信のない受験生は、まずは自分の興味分野で高校生も募集している課外の活動に参加してみてはいかがでしょうか。
研究活動・コンクール参加で独自性をアピール
学術研究や各種コンクールへの参加実績も重要なアピールポイントになります。たとえ受賞に至らなくても、取り組み過程での学びや気づきを志望理由書や面接で効果的にアピールできます。
評定が低い理由を強みに変える発想転換法
これは多くの受験生が見落としがちな重要なポイントです。評定平均が低い理由によっては、それがあなただけの魅力に繋がるケースも多々あります。
困難な経験を成長ストーリーに転換
不登校、家庭の事情、病気など、何らかの困難が評定平均を下げてしまっている場合、その経験がオリジナリティの高い強力な志望理由へと化けることがあります。
既存の教育制度への問題意識をアピール
学校の勉学に興味を持てなかった場合、そこから日本の教育制度について述べることで、独自の視点を示すことができます。
オリジナリティの高い志望理由の構築
いずれにしても総合型選抜は人物評価であるからこそ、あなたが今の現状をどう捉え、そこからどう思考・行動するのかがカギとなります。
評定平均を上げるためにやるべき3つのこと
ではここで皆さんが気になる、評定平均を上げるためにやるべき具体的なポイントを解説していきます。
・授業で知識をインプットする姿勢・復習をしつこく行う・高校1年生の時期から評定平均を意識する |
授業で知識をインプットする姿勢
評定平均を上げるために最も直接的な方法は、定期テストで高得点を取ることであります。これは誰も覆すことはできません。
定期テストで高得点を取るためには、まず授業内で知識をインプットすることを意識してみましょう。計画的に勉強することが苦手な人でも、これを意識するだけで大きく成績を上げることが可能になります。
復習をしつこく行う
基本的に高校の定期試験は、復習をしっかりと行えば十分対策を行うことができます。
学校指定の問題集を5週、10週を行うのをマストにし質問と答えをセットで覚えるくらいに繰り返し復習を行なっていきましょう。特に文系科目はこの勉強法で80点以上はしっかりと取ることができるでしょう。
高校1年生の時期から評定平均を意識する
総合型選抜における評定平均は、高校1年生の1学期から高校3年生の1学期までの成績の平均となります。
そのため高校1年生や2年生で「受験はまだ先だからいいや!」などと言っている方が多くいますが、油断はできません。
総合型選抜を受験をする上で、周りが受験を意識しないタイミングから計画的に勉強をしていたという事実は高い評価を受けることができます。志望理由書などでは嘘を書くことができますが、成績では嘘をつくことはできません。
しっかりと早い時期から成績を意識して、毎回の定期試験を大切にしていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は総合型選抜における「成績」のお話を詳しくさせていただきました。
こちらの記事では解説しきれなかったこともまだまだ多くあります。ぜひ、ブルーアカデミーの無料受験相談にご参加くださいませ。


ブルーアカデミー塾長|どんな崖っぷちの学生でも逆転合格させる『神の手』名門城星学園幼稚園/小学校から清風南海中学/高等学校に進学。高校時にはニュージランドに単身留学し、飛び級帰国の後、横浜国立大学経営学部に進学。幼稚園/小学校/中学/大学受験を網羅している受験のエキスパート。関西圏の入試事情や帰国生入試にも精通。