受験勉強が嫌だ、総合型選抜で合格できるか不安でやる気が出ない、等々様々な悩みや心配で受験準備が進んでいない受験生は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、韓国の厳しい学歴社会と受験生について紹介します。韓国の学歴社会は、世界でも屈指の厳しさを誇ります。幼少期から進学競争の渦に巻き込まれ、多くの学生が自らの将来を賭けて過酷な学習を強いられます。

日本でいう共通テストのような「수능（スヌン）」と呼ばれる大学入試試験の日には、受験生のために全国の交通が調整され、飛行機の発着音さえ制限されるほどの国民的行事となっています。このような環境の中で、韓国の受験生がどのように日々を過ごしているのか、そして塾文化が社会に与える影響について、深く掘り下げていきます。

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韓国の学歴社会の特徴とは？

韓国では、「学歴＝人生の成功」と見なされる社会的風潮があります。

名門大学への進学は、良い就職、安定した結婚、さらには家族の名誉にも直結します。特に、ソウル大学、高麗大学、延世大学の頭文字をとった「SKY大学」はエリートの象徴とされ、入学できるかどうかが人生の分岐点になります。

この競争の激しさを物語るのが、高校生（受験生）たちのスケジュールです。朝は早くから学校に通い、放課後は塾へ直行。深夜まで勉強を続ける生活は、もはや標準的と言えるほど浸透しています。

このような状況が学生や家庭にどれほどの重圧を与えているのか、後述でさらに掘り下げていきます。

学歴社会の背景にある文化と歴史

少し意外かも知れませんが韓国の学歴社会の基盤は、儒教の価値観と強い関わりがあります。儒教では、教育を通じて徳を磨き、社会での成功を収めることが理想とされてきました。儒教が浸透する韓国だからこそ、韓国の近代教育制度にも強く影響を与えています。

また、1960年代以降の急速な経済成長とともに、高度な教育が経済的な成功の鍵となりました。これらの結果、教育が家庭や社会において最優先事項とされるようになったのです。しかし、その一方で、過剰な競争による弊害が表面化してきています。

ドラマ「スカイキャッスル」と大学進学競争

韓国の学歴社会の過酷さを象徴的に描いた作品が、2018年に放送されたドラマ「スカイキャッスル」です。日本でも話題を呼んだドラマです。このドラマは、名門大学への進学を目指すエリート家庭の親子が、どのような犠牲を払ってでも成功を追求する姿を描いています。

たとえば、ドラマの中では、子どもの成績を上げるために「教育コーディネーター」を雇い、膨大な費用を投じて徹底的に指導を行います。このリアルな描写は、多くの視聴者に「自分たちの現実」を思い起こさせ、大きな共感を呼びました。

実際の韓国でも、家庭の財政を犠牲にしてでも教育に投資する姿勢は珍しくありません。このような社会的背景が、競争の過熱をさらに助長しているのです。

この厳しい韓国の受験事情はドラマの中の話ではないのです。

韓国の塾文化とは？

韓国の塾文化は、進学競争の中心的な役割を担っています。韓国では塾が、「학원（ハグォン）」と呼ばれています。このハグォンは、単なる補習の場ではなく、学校教育を補完し、場合によっては上回る教育内容を提供する場所となっています。

韓国に存在する塾の種類は様々で、数学や英語の専門塾から、音楽や芸術の塾まで幅広く存在します。中には、大学進学に特化した塾や、特定の名門高校の入試対策を専門に行う塾もあります。

塾にかかる費用は家計に大きな負担を与えており学習塾などの負担が家庭や社会に与える影響が指摘されています。

きつい受験生！深夜まで続く塾通いの現状

日本の受験生も、一般入試を受ける場合は塾に缶詰状態で勉強を行い試験に挑みます。

ですが韓国の学生たちの日常は、日本では考えられないほどもっと過酷です。中学生や高校生の多くは、学校が終わるとそのまま塾へ向かい、深夜まで勉強を続けます。一部の塾では、午前0時を過ぎても授業が行われ、学生たちは疲れた体を引きずりながら自宅に帰るようです。

このような生活は、睡眠不足や体力の低下を引き起こし、学生たちの健康に悪影響を与えています。それにもかかわらず、競争に勝つためには避けられないという現実が、多くの家庭、そして学生たちをこの生活に追い込んでいるのです。

サターリク（SATリク）の意味と重要性

韓国の「수능（スヌン）」という名前の大学修学能力試験は、学生の人生を左右する重要な試験です。日本でいう共通テストです。

この試験は毎年11月に行われ、全国の高校3年生が一斉に受験します。この日は国家的なイベントとされ、飛行機の離着陸が一時的に中止されるなど、静寂が保たれる環境が整えられます。수능（スヌン）の結果は、大学進学だけでなく、社会的評価や就職にも大きく影響を与えます。そのため、多くの学生がこの一日に全てを賭け、人生最大の勝負に挑むのです。

学生と親にのしかかる重圧

韓国の学歴社会は、学生だけでなく親にも大きな影響を及ぼしています。

学生の親たちは、子どもの教育費用を賄うために仕事に追われる一方、子どもが期待に応えられない場合の不安やプレッシャーを抱えているようです。

このような状況によって、親と子の家庭内のストレスを増大させ、親子関係に悪影響を及ぼしてしまう等の事例が増えています。また、子ども自身も「親の期待に応えなければならない」というプレッシャーでストレス障害を負ってしまうこともあるよう。

塾文化が教育格差を拡大？

韓国の塾文化は、教育格差を助長する要因にもなっています。

都市部の裕福な家庭は、より質の高い塾や個別指導を利用できる一方、地方や低所得家庭ではそのような選択肢が限られています。この結果、学生間の学力差が広がり、社会的不平等が深刻化しています。

改善に向けた取り組みと課題

韓国政府は、塾文化に依存しない教育環境の構築を目指し、学校教育の充実化や学費補助政策を進めています。しかし、社会全体の意識や価値観を変えることは容易ではなく、改革にはまだ時間がかかりそうです。

日本と韓国の学歴社会の比較

韓国と日本はどちらも学歴社会と言われますが、教育環境や文化には大きな違いがあります。たとえば、日本では部活動や自主性が重視される一方、韓国では塾通いが主流となっています。

日本では指定校推薦や総合型選抜など、試験一発で合否が決まる一般試験以外の入試方式が充実しており、まだ高校生への負担は韓国より少ないのではとも言えそうです。

韓国人の就職事情と仕事観

韓国では、給料が高く、福利厚生の整った財閥系の有名大企業が就職先として人気です。サムスンやLG、ロッテなどが日本の読者の方々にも馴染みのある例です。

中小企業と大手企業の間には大きな年収差があるため、多くの学生が大企業での就職を目指して可能な限り良い大学を目指すのです。

最近は給料だけではなく、職場環境も同じく重視されるようになりました。社員の健康管理やワークライフバランスが特に重視されているようです。こちらに関しては日本とも共通している点だと言えます。

もし一般入試が嫌なら

このような塾に缶詰になって勉強するのは嫌だ、自分が好きなことを突き詰めて受験をしたいとこの記事を読んで思っているのであれば、総合型選抜での受験を強くおすすめします。

一般入試と異なり総合型選抜においては、受験生の特色や能力が大学とマッチしているかという観点で合否が決まります。

塾で缶詰状態で決められた内容を勉強をするのではなく、自身の志や目標に向かって活動したり勉強、研究するのが総合型選抜における”勉強”です。もちろん、小論文の勉強などは必要となりますが、書く力を身につけたり、様々な分野の学術的知識や時事問題を勉強することが対策となり、つまらない参考書での勉強とは違います。

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