総合型選抜を検討している皆さんの中で、「英検って本当に必要なの？」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

実は、総合型選抜において英検は必須ではない大学の方が多いのが現実です。しかし、英検を持っていることで圧倒的に有利になるのも事実。

今回は、総合型選抜における英検の必要性から、英検なしでも受験可能な大学まで、徹底的に解説していきます！

結論：英検なしでも総合型選抜は受験可能

総合型選抜の約7割の大学では、英検は必須ではない

実際に、文部科学省の調査によると、2024年度の総合型選抜において英語外部検定を必須としている大学は全体の約3割程度。つまり、多くの大学で英検がなくても出願は可能です。

英検の位置づけは大学によって異なる

総合型選抜における英検の扱いは、大学や学部によって大きく異なります。まず最も厳しいパターンが「出願必須条件として設定」される場合です。この場合、大学が指定した級やスコア以上を取得していなければ、そもそも出願することができません。上智大学や立教大学など人気難関大学では準1級を当たり前のように要してきます。

次に多いのが「加点要素として評価」するパターンです。英検を持っていれば選考で有利になりますが、必須ではないため、英検がなくても出願は可能です。特に合否が僅差になった場合の最終的な判断材料として使われることが多いです。

「得点換算方式」を採用する大学では、英検のスコアを実際の試験の点数に換算して評価します。高いスコアを持っていれば、場合によっては英語試験が免除されることもあります。

そして最後が「完全に不要」なパターンで、英検に関する記載が募集要項に一切なく、他の要素のみで総合的に判断される場合です。実は、このパターンが総合型選抜では最も多いのが現実です。日東駒専以下の大学で多い傾向です。

英検保有率の実態

総合型選抜受験者の英検保有率を調査すると、以下のような結果になっています。

英検2級以上保有：約45％
英検準2級以上保有：約65％
英検なし：約35％

つまり、3人に1人は英検を持たずに総合型選抜を受験しているのが現実です。

早慶上智ICUで英検なしでも受験できる大学

慶應義塾大学

言わずと知れた早慶の一角、慶應義塾大学では実は、総合型選抜で募集されている全学部、全受験方法において英検をはじめとする語学資格の条件が設けられていません。

慶應義塾大学の総合型選抜には「自主応募制による推薦入学者選考」「FIT入試」「AO入試」という3つの受験方法があります。自主応募制による推薦入学者選考では文学部、FIT入試では法学部の法律学科と政治学科、AO入試では総合政策学部、環境情報学部、理工学部、看護医療学部が対象となっています。

これら7つの学科、3つの受験方法のいずれにおいても、英検をはじめとする英語能力の条件は一切必要とされていません。個別の受験方法のみを調べていた方は、他の受験方法では英検が不要だということを知らなかったかもしれませんね。学科選びの際は、ぜひ複数の受験方法を検討してみてください。

国際基督教大学（ICU）

国際色が強いイメージを持っている方も多いICU（国際基督教大学）の総合型選抜においても、実は3つある受験方式のうち22つの受験方式で英検をはじめとする語学資格の条件が設けられていません。

英検なしで受験可能なのは、教養学部アーツ・サイエンス学科の「理数探究型」と「IB認定校対象」です。ただし、これらの受験方法は英語資格以外の条件が厳しく設定されており、多くの方が出願できるわけではありません。理数探究型では理数系の研究活動実績が、IB認定校対象では国際バカロレア（IB）ディプロマの取得が必要になります。

これらの条件を満たしている方であれば、ICUという難関大学に英検なしで挑戦できる貴重な機会ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

早稲田大学

早稲田大学でももちろん総合型選抜を実施しています。英語資格のスコアによる出願基準は基本的に出願条件として設定されていないものの、スコア提出は必須としていることが多く、重要な判断材料となっていると考えられます。

特に政治経済学部グローバル入試や国際教養学部AO入試では高いスコアを求められる傾向が見られます。そのため、より高いスコアの取得を目指して英検やTOEFLなど英語資格試験を受験しておくことを強くオススメします。

MARCHので英検なしでも受験できる大学学部

MARCHとなると選択肢は増えてきます。その中でもブルーアカデミーの卒業生が実際に合格した大学学部などをはじめとして紹介していきます。

中央大学文学部専攻適正型入試

ひろゆきが通っていた中央大学文学部の専攻適正型入試では英語資格を有していない方でも受験することができます。

実際ブルーアカデミーの卒業生でも英検なし評定なしという条件でも合格を掴んでいる方がいらっしゃいます。しっかりと志望理由書を作り込み試験対策を行うことで高い角度で合格を掴むことができます。

[2025年度]中央大学文学部の自己推薦入試【専攻適正型】を徹底解説！

立教大学文学部自由選抜入試

おしゃれなイメージの強い立教大学も英語資格なしで受験することができます。

史学科をはじめとする複数の文学部の学科で英検などの英語スコアの条件が設けられておらず、英語が苦手な受験生でも受験することができます。

幅広い学科があるので興味のあるテーマを学びやすく、既に勉強したいことが決まっている方には非常におすすめの受験先です。

法政大学現代福祉学部福祉コミュニティ学科まちづくりチャレンジ自己推薦入学試験

菅元総理大臣の出身校である法政大学においても複数学部にて英語資格なしでも受験することが可能です。その中でも、法政大学 現代福祉学部福祉コミュニティ学科のまちづくりチャレンジ自己推薦入学試験は特におすすめです。

法政大学現代福祉学部福祉コミュニティ学科は、まちづくりに対する熱い想いを持つ者に対して自己推薦入学試験を実施しており、とりわけこの入試方式はその想いに寄り添うような試験となっています。

まちづくり NPO 等の組織代表者、プロジェクト・プログラム等の主催者、高等学校長、自治体首長等、出願者のまちづくり経験や実績を証明できる方に記入するような形になります。

国公立で英検なしで受験できる総合型選抜

私立難関大学だけでなく、国公立大でも英検などの英語資格なしでも総合型選抜で受験をすることができます。

英検のスコア提出が求められない総合型選抜を実施している国立大学として、本記事では「大阪大学 理学部」と「筑波大学 情報学群」の2校をご紹介します。

大阪大学理学部

旧帝大の一角である大阪大学の理系学部である理学部では英検などの英語資格なしで受験することができます。

英検が課されない代わりに、研究実績や科学コンテストでの成果が重視されるため、理系コンペティションへの参加や論文・ポスター発表の経験を早期に積んでおくと有利です。

筑波大学情報学群

最近ニュースが多い筑波大学でもTOEFLなど英語資格なしで受験することができます。

誰でも挑戦しやすい入試設計で、特定のコンテスト実績や資格は課されず、事前準備のハードルが比較的低い点が特徴です。

門戸が広い分、受験者数が増えやすく倍率が高くなる傾向があります。志望理由書と面接対策で「情報技術を通じて社会をどう変えたいか」というビジョンを具体的に示し、差別化を図ることが重要です。

総合型選抜で英検なしで戦うならどうするべきか

では上記のような英検といった英語資格なしで受けられる大学を総合型選抜で受験する場合、しっかりと合格を実現するためにはどのような意識をするべきなのでしょうか。

以下では総合型選抜で英語資格なしで受験をする上で気をつけるべきポイントをいくつかご紹介いたします。

①英語以外のアピールポイントを用意する

英語資格の条件のない大学学部の総合型選抜ではそれ以外の要素を重視します。それ故に英語の条件がないと理解しましょう。

そうすると研究テーマに関する課外活動を人一倍濃いものにする、小論文のできを人一倍高いものにする、こういったことを着実に行っていき英語以外の強みを。

②日本語力を高める

上記の①と被ってはしまいますが、日本語力を高めてアカデミックな文章を正しく書けるようになると、受験を上手く攻略することに繋げることができます。

小論文や志望理由書はもちろん、面接なども基本的に日本語で行われます。他の受験生よりもアカデミックに自身の考えを説明できれば、英語力関係なく高い評価を得ることができます。

英語資格の条件が設けられていない総合型選抜においては、英語力はさほど重要視されないため、代わりに高い日本語力が求められる訳です。

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まとめ

総合型選抜では、英検が出願必須となる大学は全体の約３割にとどまり、慶應・ICU・早稲田の一部学部やMARCH、阪大理学部・筑波大情報学群など、英検なしで挑める選択肢は想像以上に豊富です。

一方、英検を持っていれば加点や試験免除で優位に立てるケースも多く、取得の有無で戦略が大きく変わるのが実情です。英検なしで合格を狙うなら、研究実績や課外活動、小論文・面接で際立つ日本語力など“英語以外”の強みを磨くことが不可欠です。

自分に合ったルートと準備ポイントを見極め、最適な対策プランを立てましょう。