慶應義塾大学に帰国生入試で受かるには?といった記事や動画を良く目にしていませんか?
総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試を使って大学受験で成功したいという高校生であれば、一度は「慶應義塾大学 帰国生入試」と検索したことがあるでしょう。ただ、せっかく検索してみても、募集要項のまとめや抜粋などばかりです。本当に志望校合格を目指している学生に寄り添う、有益な情報は多くありません。
本記事では、慶應義塾大学に帰国生入試で出願するに当たって知っておくべき情報を全て網羅していきます。合格への最短ルートと題して、具体的な対策方法も、知っていただけますので、是非最後まで最後までお読みください!
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慶應義塾大学では、一般選抜の他に帰国生入試という入試方法が用意されています。2024年の現在は法学部、総合政策学部、環境情報学部、経済学部、理工学部、医学部らといった学部を、帰国生入試を通じて、受験可能です。
慶應義塾大学は、2025年度の帰国生入試から文学部、商学部、看護医療学部、薬学部の募集を停止しました。帰国生入試の他にも、総合型選抜入試など別の入試形態での受験も可能なので、行きたい学部のさまざまな入試形態を調べてみましょう。
まずは、最低限、受験生として把握しておくべき受験詳細や傾向を知りましょう。
帰国生入試で慶應法学部に合格したいなら、絶対に知っておくべき基礎知識
- 入試日程
- 倍率
- 試験内容
- 出願条件
の4点を具体的に解説しつつ、受験生として留意すべき点もお伝えしていきます。
①入試日程
まず慶應義塾大学法学部の帰国生入試の入試日程についてです。
上智大学の公募推薦が10月、立教大学が9月中旬、主要国公立大学などが10月以降の出願締切であることに対して、慶應義塾大学法学部の帰国生入試では7月と非常に早いタイミングで出願が締め切られます。
そのため、夏休みが終わる頃にやっと、書類が仕上がっているような状態のようでは、かなり綱渡なギリギリの受験を強いられます。また、一次の書類試験の突破から、間髪入れずに二次試験が行われます。一次に受かってから二次試験の対策をしよう、と考えているようでは合格はさらに難しくなります。
総合型入試において、併願が可能で、特に人気がある大学には青山学院大学、立教大学、中央大学などが挙げられます。その他明治大学や法政大学では、受験先の学部や受験方法によって、併願か専願かが分かれ、国公立大学や学校推薦型選抜だとほとんどが専願による受験です。
②倍率
慶應義塾大学法学部の帰国生入試における倍率の推移をそれぞれみていきましょう。
各年度をみてみると、概ね1.5倍前後に落ち着いています。総合型選抜という新しい入試形式の普及や、一般選抜での合格が難しくなっていることがあり、各大学の入試形態では、倍率が上がりつつあるなかで、概ね1.5倍で推移しているということは、
出願しない理由がありません。かなり高い確率で合格が可能なため、万全の準備を持って確実に合格を狙いましょう。また、早慶上理などの別の大学を、チャレンジ校として受験することもできます。
入試日程や倍率をただの“数字”として捉え、読み流すのではなく、しっかりと受験者動向の把握や自身の受験計画の立案に活かすことが重要です。受験は戦略と対策の開始時期が明暗を分けます。
続いて、試験内容と出願条件を確認していきます。
③試験内容
慶應義塾大学には受験方法が、帰国生入試、総合型選抜入試など、複数存在します。慶應義塾大学を受験する上で、自身に合った試験方式を選ぶ必要があります。
その試験は、「英語資格や統一試験の成績をはじめとした書類審査」、「小論文」および「面接」の3つによって総合的に判断し、合否判定を行うというものです。
大きく分けると
- 書類審査
- 小論文
- 面接
の3つに分けられます。
一次試験に受からなければ、次の試験に進むことができないため、出願者全員が『書類審査』の段階でハイクオリティな書類を用意しておく必要があります。評定平均や英語資格のスコアが悪い場合、最初から足ぎりにあう可能性もあります。
また、一次合格を達成できた場合でも慢心せず、3つの考慮要素の全てを丁寧に引き続き対策する必要もあります。面接やディスカッションなどの「直接受験生と対峙する場所」で面接官たちは受験生の真価を見極めようとします。
一次試験段階で、書類を代筆してもらうことや、嘘や誇張を書くなどをしていると、勿論、二次試験で不合格になります。同時に、書類の準備にかかりきりで、小論文や学力試験などの対策を一次合格後にやっと始めた、なんてことも同様に危険です。多くの学習塾が、一次試験段階までに小論文を重要視しない傾向にありますが、実は早期からの小論文対策が重要です。
小論文の対策方法については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
④出願条件
慶應義塾大学の主な受験条件受験の条件 ・2024年9月または2025年3月に卒業見込みの者で、海外において外国の教育課程に基づく高等学校に最終学年を含め2年以上継続して在籍していた者。 滞在国・地域の学校教育制度に基づく大学入学資格を有する者。 ・出願資格「TOEFLもしくはIELTSの資格」+「各国の大学入学に必要な国家試験等の統一試験、またはこれに準ずる試験を受験し、試験結果を提出できる」 ・法学部のみ:同一年度内に法学部が行う国際バカロレア資格取得者対象入学試験や外国人留学生対象入学試験に出願する者は、帰国生対象入学試験に併願で出願することはできない。 |
出願条件は、一般的な総合型選抜や推薦入試の場合には評定平均と英語資格の2点を確認しておけば、「自分は出願の資格を満たしていなかった、、」と後から困ることはありません。帰国子女入試の場合には、細かな海外在住歴を問われたり、国際バカロレアを活用した試験には別途スコアが必要なるケースもあります。
一つ目の条件では、帰国生対象入学試験という形をとっていることから、併願制であり、合格した場合は併願が可能であるということがわかります。しかしながら、法学部内の学科の併願はできないので気をつけましょう。他の大学の条件と異なる場合があるため注意してみておきましょう。
二つ目の条件では、出願資格として、必要な学習成績として英語試験と統一試験が定められています。慶應義塾大学の帰国生入試では、評定の足切りも英語試験資格の足切りもありませんが、他の受験者と差をつけるために高い点数をとっておく必要があるでしょう。
慶應義塾大学では、TOELF ibtとIELTS Academic Moduleのどちらかの英語試験で条件を満たすことができますが、他の学部と比較した際に、比較的低い難易度の試験で受験条件を満たすことができます。
・現在高校3年生である
・英検で2級以上をまだ取得していない
・評定が4/5以上とれるかわからない
・特別な課外活動や実績などがない
・大学で学びたい具体的な科目を5個以上調べ終わっていない
・大学で所属したいゼミと教授の氏名が今すぐに答えられない
この中で1つでも当てはまる項目があれば、今すぐにでも対策を始めるべきサインです。
帰国生入試で慶應法学部に合格したいなら、絶対に知っておくべき基礎知識を4つの項目に分けて、紹介していきました。
基礎知識を十分にインプットできた後は、具体的にどのような対策を進めていくべきかについて、知っていきましょう。
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慶應義塾大学法学部に帰国生入試で最短で合格するための対策方法
ここでは、慶應義塾大学法学部に帰国生入試で合格するために必要な対策方法を先ほどの
- 書類審査
- 小論文
- 面接
の3つの観点から、それぞれ、お伝えしていきます。
①書類審査
慶應義塾大学法学部の帰国生入試では、書類審査として
・入学検定料収納証明書
・入学志願票
・入学志願者調書
・統一試験の試験成績評価証明書
・高等学校の成績証明書
・高等学校の卒業証明書または卒業見込み証明書
・パスポートのコピー
・TOEFL ibtもしくはIELTS Academic Moduleの結果
・推薦状
多くの細かな書類を用意しなければいけないので、早めに準備を進めましょう。
これらの中でも特に重要な以下の4つの書類について、対策を解説していきます。
(1)「高等学校の成績」
(2)「統一試験の成績」
(3)「英語資格」
(4)「志望理由書」
(1)高等学校の成績
まず、「高等学校の成績」についてです。これが提出書類として課されている一番の理由は、大学側が応募している学生の評定を確認するためです。
慶應義塾大学は、在学全期間の成績が記載された書類の提出を求めていることから、3年間の平均評定を少しでも上げることが一番の対策となります。他の提出書類と比べ長期間での努力が求められます。
(2)統一試験の成績
次に、「統一試験の成績」についてです。国ごとに受ける試験や必要な成績評価が異なるので、自身の滞在している国や地域の条件を確認しておきましょう。
主な条件は以下のようになっています。
国 | 試験等の名称 | 提出方法 |
アメリカ合衆国カナダ | SAT Reasoning Test | Official Scoreを大学に直送 |
イギリス | GCE level 3科目以上かつ成績評価が全てE以上法学部:日本語を含まないこと | 成績評価証明書を大学に送付 |
IB | IB最終試験6科目法学部:科目指定なし | 成績評価証明書を電子媒体で大学に直送 |
その他 | 現地の大学入学資格 | 成績評価証明書を大学に送付(翻訳が必要であれば翻訳文付きの提出) |
それぞれの試験における足切り基準は明確に示されてはいませんが、慶應義塾大学の帰国生入試のレベルの高さから、
SATであれば1400点以上、IBの最終スコアであれば36~38を取れことを目標に受験するといいでしょう。
SATは3・5・6・8・10・11・12月の年7回しか実施されておらず、地域によってスケジュールが異なる上、予約が埋まりやすいので、SATを受験する場合は早めの対策が必要です。
(3)英語資格
次に、「英語資格」についてです。慶應義塾大学の帰国生入試では、TOEFL ibtまたはIELTS Academic Moduleのどちらかのスコア提出が求められています。
どちらの英語資格も条件設定はされていませんが、帰国生入試の受験相手は海外滞在歴が長くアカデミックレベルの英語力を持っていることが前提となります。
そのため、TOEFLであれば100点以上、IELTSであれば7.5以上のスコアを取れるように対策する必要があります。
高い点数の英語資格を提出できるように、出願の1年以上前からReading/Writin/Speaking/Listeningの4技能それぞれの対策を始めるようにしましょう。
(4)志望理由書
最後に、「志望理由書」についての対策方法です。全員必須の提出資料である「入学志願書調書」の中に、文字数制限なしの「志望理由」が含まれており、これも書類審査対象に含まれていることからも事前準備の必要があります。
基本的に求められている内容としては、以下の3つが大体含まれています。
a.学科の志望動機
b.学科の分野に関連した昨今の事象に関する自身の考え
c.自身の留学経験と将来の夢とのつながり
a.学科の志望動機について
特定課題の中では書きやすいものと言えます。自身の夢や希望、また学科で学ぶことのできる内容を把握したうえで、それらがつながるように組み合わせて書きましょう。
長くなりすぎず短い文章の中でそれを的確に伝えることができるよう、何度も修正し自身が志した理由が分かりやすい文になっているかを常に意識することが大切です。
b.学科の分野に関連した昨今の事象に関する自身の考え
前提知識があまりない状態から書かなければならないため難易度は高いといえます。
具体的な対策方法としては、その学部に関する基礎的な知識を日ごろからインプットしていくことです。
自分の考えを持つためには、まず何よりも、その学部の時事的内容を知っていなければなりません。日ごろからニュースなどのメディアをチェックしておかないと浅い理解となってしまいます。
そしてその分野に関する入門書や専門書を読むことで、さらに深めることができます。日常的に自分の興味のある分野の情報にはアンテナを張っておきましょう。
c.自身の留学経験と将来の夢とのつながり
帰国生入試において他の入試形態の受験者と異なるのは、外国の学校でないと得られない経験を得ている点です。
外国の学校で、日本とは異なる環境下で、さまざまな価値観やバックグラウンドを持った人たちと共に生活してきた経験。これは多様性や国際性というと安易な言葉に聞こえますが、日本の他の学生には得られない時間であり、帰国生入試を受験できる人たちの特権でもあります。
外国の学校に在籍していた自分自身が、外国の大学ではなくあえて日本の大学を選ぶのはどんな理由があるのか、経験と将来像を明確に結びながら経験ベースで表現できると説得力が格段に上がります。
この「志望理由書」が提出書類の中で唯一自分自身を言葉でアピールできる書類になります。自身だけでなく周りの人や、プロの目線から客観的にみてもらうことも大切でしょう。
また、面接で問われる可能性も高いので、添削をかさね自身でも内容を理解していることが対策方法として非常に大切になります。
②小論文の対策方法
まず、この小論文試験の概要について説明します。内容としては、例年、その分野についての小論文が課されることが多く、前提知識と自身の意見を正しく述べる力の両方が求められる試験内容となっています。
例えば、2024年度は以下のような小論文試験が出されました。
国際NGO団体フリーダム・ハウスの最新のレポート『Freedom in the World 2023』によると、世界195カ国のうち、民主主義国家は84か国であり、過半数にも届いていないこと、そして、これを人口比でみると、世界人口79億人のうち、民主主義国家の国民は20%程度にとどまることがわかります。資料①および資料②を参考にしながら、これらのことについて、民主主義とは何かを説明したうえで、あなたの考えを1,000字以内で述べてください。
資料①:Freedom in the World Methodology (出典:Freedom House, “Freedom in the World 2023”, p21)
資料②:「STATUS BY POPULATION」と「STATUS BY COUNTRY」の地域別統計表(出典:Freedom House, “Freedom in the World 2023”, pp.24-30より作成)
かなり専門的な記述を求める試験内容となっています。
この筆記試験の対策として次の2つの方法を紹介します。
(1)受験する分野に関する小論文をとにかく解く
(2)関連分野の知識、時事情報をインプットする
(1)受験する分野に関する小論文をとにかく解く
最近では赤本に公募推薦の過去問が乗るようになったりなど、過去のデータも豊富なだけでなく、専門塾などで独自の問題が作られていることが多くあります。書き方を覚えるだけでなく、限られた時間と字数の中で自身の意見をしっかりと述べられるよう多くの問題を解きましょう。
慶應義塾大学では、数年分の過去問を配布しているので必ず参考にしましょう。
(2)関連分野の知識、時事情報をインプットする
事前書類の対策と重なる部分がありますが、その分野の入門書を読んだり、ニュースを見たりすることで知識をインプットすることができます。
慶應義塾大学の教授が書いている本や記事にも目を通しておくことで、より幅広い対策をとっていきましょう。
③面接の対策方法
慶應義塾大学の帰国生入試で行われる面接は、提出書類の内容に沿った質問が中心となる一般的な面接です。様々な提出書類が求められ、提出書類が出来次第すぐに面接の練習に入ることがおすすめです。
具体的には、
(1)相手に実際に書類を見てもらいながら、面接練習を何度もする。
(2)面接官の深堀りにも対応できるように書類内容の理解を深め、発言できるようにする
の2つです。
(1)相手に実際に書類を見てもらいながら、面接練習を何度もする。
実際に行われるような状態で何度も練習することで、自身が書類で何について書き、それをどのように説明すればいいかを頭のなかで整理することができます。
同じ質問で練習するのではなく、多くの人に面接練習をしてもらい様々な人からフィードバックを受けましょう。
(2)面接官の深堀りにも対応できるように書類内容の理解を深め、発言できるようにする。
大学の教授は課題で書かれている内容や意見について本当に理解しているかを確かめるために、書かれている内容以上のことを聞いてくる可能性があります。書類内容を振り返るだけでなく、その内容以上のことを答えられるよう意識しましょう。
法学部の面接では、小論文で記述した内容も聞かれるため、専門知識を自分なりに説明できるように準備する必要があります。
まとめ
今回の記事では「慶應義塾大学法学部に帰国生入試で合格するために最短ルート」として、
1:帰国生入試で慶應義塾大学法学部に合格したいなら、絶対に知っておくべき基礎知識
2:慶應義塾大学法学部に帰国生入試で最短で合格するための対策方法
の2点について、ご紹介しました。
受験は競争です。相対的に周囲の受験生より一歩先を進むことが重要であり、受験する大学学部のそれぞれ特徴をしっかりと調べて抑えているだけでは、合格は難しいでしょう。
受験合格の秘訣は、「知っていること」や「優秀なこと」ではなく、「正しい戦略」とそれに基づいた「正しい時期に行った正しい量の努力」です。
また、今回お伝えしたノウハウは、あくまでも慶應義塾大学法学部に帰国生入試で最短で合格するための対策方法であって、確実な合格方法とは、また異なるものです。最短での合格方法や、コスパ・タイパの良い受験を追い求めることは悪いことではありませんが、同時にリスクも伴います。
Blue Academyではそんな慶應義塾大学法学部の帰国生入試への対策は勿論のこと、本記事では公開できなかった受験の必勝法・限定情報だけでなく、高校生が志望校に確実に合格するための、併願剪定・受験対策を一気通貫で提供しております。
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